ラプンツェルの髪のお話

「髪」についてのお話で、サムソンとデリラのお話があります。
サムソンとアドンではありません。サムソンとデリラです。


はじめに必ずこちらをお読みください。
転載禁止!!

サムソン(Wikipedia)

簡単にいうと、サムソンというすごく強い男がいて、一見無敵に思えたが実は髪の毛が弱点で、それを知ったデリラという女性がサムソンを裏切ったせいで髪が弱点だと知られてしまい、髪にかみそりを入れられて力を失ってしまう、というお話です。

髪の毛って不思議ですよね。
放っておくと伸びるのに、切られても痛くない。生きているのか死んでいるのか分からない。
今では科学的に説明できるのでしょうが、当時はそれがなぜか説明できなかった。
説明できない不思議なものは、“きっとあちらの世界に通じてるものなんだ”と捉えたのかもしれません。
髪の毛は「神様(あちらの世界)からの力を授かるための場所」として考えられたそうです。

ここからは私の勝手な考察を交えながらになりますが、グリム童話のラプンツェルのお話を考えてみます。
ラプンツェルは森の中の塔に閉じ込められていて、小さい窓から髪の毛を垂らして魔女(と王子)を招き入れます。
また、王子は通りがかった際、塔の中のラプンツェルの歌声を聴きます。
前回の記事の内容から考えると、おそらくラプンツェルがいる場所というのは、あちらの世界(死後の世界)なのではないかと思われます。
(※追記。ラプンツェルは塔の上にいて、音(歌声)を出すので、「鐘」がモチーフなのは間違いない……多分。「音」についてはこちらの記事をどうぞ。)

あるときラプンツェルは魔女に向かって「なんかばあちゃんクッソ重いんやけど。ダーリンは軽いから楽々こっちに来れるんやでぇ」と言い放ち、魔女は「ダーリンて誰じゃボケェ!!!」と言い返します(意訳)。
で、魔女は怒ってラプンツェルの髪の毛を切ってしまうわけですが、あちらの世界の力の源を切られる、つまりあちらの世界から追い出されているのではと受け取れます。

その後王子様はラプンツェルがいなくなった塔から身を投げて、目玉がつぶれてしまいます。
これも前回の記事に書いたとおり、死んでいる状態を表しているのではないかと思われます。
そして、今度は逆の立場で、生者の世界にいるラプンツェルの歌声に招かれ、ラプンツェルの涙でのろいが解けてめでたしめでたし、となるのではないかと。

半分考察になってしまいましたが、髪の毛は不思議な力が宿る場所、というお話でした。


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